理事長挨拶

私は平成2年に旧野上胃腸病院を継承し、以後改称野上病院院長として、また消化器外科医として新たに県南地区を中心に地域の中間医療拠点としての病院運営をしてまいりました。その中において、近年のめまぐるしい医療技術の進歩や進展し続ける高齢化社会の中での疾病構造の変化、あるいは介護保険、医療保険制度の改革などから、特に高齢者の術後管理などを行うにあたり、当初より「医療」と「介護」は決して切り離せない状況にあることを強く実感しておりました。

これに対応すべく「医療」と「介護」を同時に行える組織をつくり、個人病院からより活動的、流動的、かつより実質的な運営をしたいと考え、平成14年に医療法人「慈厚会」を設立するに至りました。病は癒せても人は確実に年を取ります。運営理念にある「報恩感謝」の気持にのっとり、地域の皆様への還元を軸に社会貢献ができたらと考えています。

その先駆けとして当法人は平成16年に介護老人保健施設「ひかり」を開設、医療機関に求められるサービスが多様化する中での老人医療・介護への取り組みを始めました。平成20年には病院近傍にデイケアを中心とした介護施設「ケアセンターひかり」を開設、さらに平成21年には郊外に「江戸崎ひかりクリニック」を開設し、地域医療・介護の活動範囲を広めました。また、時代に沿ったより多くのニーズに対応すべく、平成23年には小規模介護老人保健施設「えがお」を開設し、さらなる医療・介護の充実に努めています。

また、社会環境の変化にも対応すべく、法人に関連するすべての人たちの生活環境の改善、維持をも含めた福祉事業の展開にあたり、社会福祉法人「えがお」（当法人会長　渡邊　力理事長）との連携をはかり、一貫した医療・介護・福祉の発展を目指すとともに、今まで以上に地域社会に貢献できるよう精進してまいる所存であります。地域の皆様と歩む法人運営を通して、市民の皆様が安心して暮らせる街づくりに励みます。

医療法人慈厚会
理事長　野上　厚